2026.06.15

矯正治療は医療費控除の対象?申請方法までわかりやすく解説

矯正治療を検討している方の中には、「矯正治療は医療費控除の対象になるの?」「子どもの矯正は申請できる?」「大人の矯正でも控除を受けられる場合はある?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

矯正治療は自由診療になることが多く、費用が高額になりやすい治療です。ワイヤー矯正やマウスピース矯正など、治療方法によって費用は異なりますが、数十万円から百万円以上かかるケースもあります。そのため、少しでも負担を軽減できる制度があるなら知っておきたいと考える方は少なくありません。

医療費控除とは、1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に、所得控除を受けられる制度です。矯正治療も条件を満たせば医療費控除の対象になることがあります。ただし、すべての矯正治療が対象になるわけではありません。治療目的なのか、美容目的なのかによって判断が変わるため注意が必要です。

特に大人の矯正治療では、「見た目をきれいにしたい」という目的だけの場合、医療費控除の対象外と判断される可能性があります。一方で、噛み合わせの改善や発音・咀嚼機能の改善など、歯科医師が治療上必要と判断した矯正治療であれば、対象になる場合があります。

この記事では、矯正治療が医療費控除の対象になるケース、対象にならないケース、申請方法、必要書類、注意点についてわかりやすく解説します。

医療費控除とは

医療費控除とは、本人や家族のために支払った医療費が一定額を超えた場合に、確定申告を行うことで所得控除を受けられる制度です。

医療費がそのまま全額戻ってくる制度ではなく、支払った医療費の一部が所得から差し引かれ、その結果として所得税や住民税の負担が軽減される仕組みです。

1年間に支払った医療費が対象になる

医療費控除では、1月1日から12月31日までの1年間に支払った医療費をもとに計算します。

対象になるのは、その年に実際に支払った医療費です。治療を受けた日ではなく、支払いをした年が基準になります。

例えば矯正治療を2025年に開始しても、支払いが2026年であれば、2026年分の医療費控除として申請することになります。

また、本人だけでなく、生計を一にする家族の医療費も合算できます。子どもの矯正治療費を保護者が支払った場合、その費用を医療費控除として申請できる可能性があります。

医療費控除は確定申告で申請する

医療費控除を受けるためには、年末調整だけでは完了しません。

会社員の方であっても、医療費控除を受ける場合は原則として確定申告が必要です。

確定申告というと難しく感じる方もいるかもしれませんが、現在は国税庁の確定申告書等作成コーナーを利用して、画面の案内に沿って入力することもできます。

矯正治療のように高額な医療費を支払った年は、医療費控除の対象になるか確認しておくことをおすすめします。

矯正治療は医療費控除の対象になる?

矯正治療は、条件を満たせば医療費控除の対象になります。

ただし、矯正治療であればすべて対象になるわけではありません。

重要なのは、その矯正治療が治療として必要なものかどうかです。

子どもの矯正は対象になることが多い

子どもの矯正治療は、成長や発育、噛み合わせの改善を目的として行われることが多いため、医療費控除の対象になるケースが多いとされています。

例えば、顎の成長を利用して永久歯が正しく並ぶ環境を作る治療や、受け口、出っ歯、噛み合わせのズレを改善する治療などは、単なる美容目的ではなく機能改善を目的とした治療と考えられることがあります。

子どもの歯並びや噛み合わせは、将来的な咀嚼機能や発音、顎の成長にも関わります。そのため、歯科医師が必要と判断した矯正治療であれば、医療費控除の対象として認められる可能性があります。

ただし、判断に迷う場合は、治療を受ける歯科医院や税務署へ確認しておくと安心です。

大人の矯正も対象になる場合がある

大人の矯正治療でも、医療費控除の対象になる場合があります。

例えば、噛み合わせが悪く食べ物を十分に噛めない、発音に支障がある、歯並びの乱れによって清掃性が悪く虫歯や歯周病のリスクが高いなど、機能改善や治療上の必要性がある場合です。

大人の矯正というと見た目の改善を目的とするイメージがあるかもしれませんが、実際には噛み合わせやお口の健康を改善するために行われるケースも多くあります。

そのため、「大人だから医療費控除の対象にならない」と決めつける必要はありません。

重要なのは、治療目的が美容ではなく、歯科医学的に必要な治療であるかどうかです。

医療費控除の対象にならない矯正治療

矯正治療の中には、医療費控除の対象にならないケースもあります。

特に注意したいのが、美容目的のみの矯正治療です。

見た目だけを目的とした矯正

歯並びの見た目をきれいにしたい、口元の印象を良くしたい、審美目的で歯列を整えたいという理由だけで行う矯正治療は、医療費控除の対象外と判断される可能性があります。

もちろん、見た目の改善は矯正治療における大切な要素の一つです。しかし、医療費控除では、治療として必要かどうかが重視されます。

そのため、見た目の改善だけを目的とした治療の場合は、対象外となることがあります。

美容目的か治療目的かの判断が重要

実際には、美容目的と治療目的の境界が分かりにくいケースもあります。

例えば、出っ歯を改善することで見た目も良くなりますが、同時に口が閉じやすくなったり、噛み合わせが改善したりする場合があります。このような場合、治療上の必要性が認められれば医療費控除の対象になる可能性があります。

反対に、噛み合わせや機能面に大きな問題がなく、見た目の改善だけを目的としている場合は、対象外となる可能性があります。

不安な場合は、治療前に歯科医院へ相談し、治療目的を確認しておくことが大切です。

医療費控除の対象になる費用

矯正治療に関する費用のうち、医療費控除の対象になる可能性があるものはいくつかあります。

ただし、すべての支払いが対象になるわけではありません。

矯正治療費

治療目的として必要な矯正治療であれば、装置代や調整料などが医療費控除の対象になる可能性があります。

ワイヤー矯正、マウスピース矯正、部分矯正など、治療方法そのものよりも、治療目的が重要になります。

また、矯正治療では治療費を一括で支払う場合もあれば、分割で支払う場合もあります。医療費控除では、実際にその年に支払った金額が対象になります。

例えば契約総額が80万円であっても、その年に支払った金額が30万円であれば、基本的にはその30万円がその年の医療費控除の計算対象になります。

検査費用や診断料

矯正治療を行うために必要な精密検査や診断料も、医療費控除の対象になる可能性があります。

矯正治療では、レントゲン撮影や口腔内写真、歯型の採取、治療計画の作成などを行います。これらは治療に必要な診査・診断であるため、対象として考えられることがあります。

ただし、相談だけで治療に進まなかった場合など、内容によって判断が分かれることもあります。領収書は必ず保管しておきましょう。

通院にかかった交通費

医療費控除では、通院のために必要な交通費も対象になる場合があります。

例えば、電車やバスなどの公共交通機関を利用して通院した場合、その交通費を医療費として計上できる可能性があります。

子どもの矯正治療で保護者が付き添った場合、子どもが一人で通院できない年齢であれば、付き添いの交通費も対象になることがあります。

一方で、自家用車で通院した場合のガソリン代や駐車場代は、原則として医療費控除の対象外とされることが多いため注意が必要です。

医療費控除の対象になりにくい費用

矯正治療に関連する費用であっても、医療費控除の対象になりにくいものがあります。

美容目的の費用

美容目的のみの矯正治療費は、医療費控除の対象外となる可能性があります。

また、ホワイトニングなど、審美目的の処置も原則として医療費控除の対象外と考えられます。

矯正治療と同時にホワイトニングなどを行う場合は、領収書や明細で費用の内訳が分かるようにしておくと安心です。

自家用車のガソリン代や駐車場代

通院に関する費用でも、自家用車のガソリン代や駐車場代は医療費控除の対象外となることが一般的です。

公共交通機関を利用した場合の交通費は対象になる可能性がありますが、自家用車の場合は扱いが異なります。

通院交通費を申請する場合は、日付、通院先、利用した交通機関、金額を記録しておくとよいでしょう。

診断書作成費用など

診断書作成費用などは、医療費控除の対象外となる場合があります。

ただし、必要書類の扱いは内容によって異なることがあるため、判断に迷う場合は税務署や税理士へ確認することをおすすめします。

医療費控除の計算方法

医療費控除の金額は、支払った医療費から一定額を差し引いて計算します。

基本的には、1年間に支払った医療費から保険金などで補てんされた金額を差し引き、さらに10万円を差し引いた金額が医療費控除額になります。

ただし、総所得金額等が200万円未満の場合は、10万円ではなく総所得金額等の5%を差し引いて計算します。

医療費控除額は最大200万円

医療費控除として所得から差し引ける金額には上限があります。

医療費控除額の上限は200万円です。

矯正治療は高額になることがありますが、上限がある点も理解しておきましょう。

また、医療費控除は税金がそのまま戻ってくる制度ではありません。所得から控除され、その結果として所得税や住民税の負担が軽減される制度です。

家族の医療費を合算できる

医療費控除では、生計を一にする家族の医療費を合算できます。

例えば、子どもの矯正治療費、親の通院費、自分の医療費などをまとめて計算できる場合があります。

家族の中で所得が高い方が申告した方が、税負担の軽減効果が大きくなる場合もあります。

ただし、個別の状況によって異なるため、詳しくは税務署や税理士へ確認しましょう。

医療費控除の申請に必要なもの

医療費控除を申請するためには、いくつか準備しておきたいものがあります。

確定申告の時期になって慌てないためにも、矯正治療を始めた段階から領収書や記録を整理しておくことが大切です。

医療費の領収書

矯正治療費を支払った際の領収書は必ず保管しておきましょう。

現在は確定申告書に領収書を添付する必要はありませんが、税務署から提示や提出を求められる場合があるため、一定期間保管しておく必要があります。

領収書を紛失すると、支払いを証明しにくくなることがあります。

医療費控除の明細書

確定申告では、医療費控除の明細書を作成します。

医療を受けた人、病院や歯科医院の名称、支払った医療費、補てんされた金額などを記入します。

矯正治療費だけでなく、同じ年に支払った他の医療費もまとめて記入します。

交通費の記録

公共交通機関を利用して通院した場合は、交通費の記録も残しておきましょう。

領収書が出ない電車やバスの場合でも、日付、区間、金額、通院先をメモしておくことで申請時に整理しやすくなります。

通院回数が多い矯正治療では、交通費も積み重なることがあります。

医療費控除の申請方法

医療費控除は確定申告で申請します。

会社員の方でも、医療費控除を受ける場合は自分で申告する必要があります。

確定申告書を作成する

国税庁の確定申告書等作成コーナーを利用すると、画面の案内に沿って入力しながら申告書を作成できます。

給与所得者の場合は、源泉徴収票を手元に用意して入力します。

医療費控除の入力欄に、医療費控除の明細書の内容を入力していきます。

e-Taxまたは書面で提出する

作成した確定申告書は、e-Taxでオンライン提出する方法と、印刷して税務署へ提出する方法があります。

e-Taxを利用すれば自宅から申告できるため、忙しい方でも手続きしやすくなります。

書面で提出する場合は、管轄の税務署へ郵送または持参します。

還付申告は過去分も申請できる場合がある

会社員などで確定申告義務がない方が医療費控除を受けるための還付申告は、過去5年分までさかのぼって申請できる場合があります。

過去に矯正治療費を支払ったものの医療費控除を申請していなかった方は、対象期間内か確認してみるとよいでしょう。

ただし、申告できる年や条件については個別の状況によって異なるため、税務署に確認することをおすすめします。

デンタルローンや分割払いの場合はどうなる?

矯正治療では、デンタルローンや分割払いを利用する方もいます。

支払い方法によって医療費控除の扱いが気になる方も多いでしょう。

デンタルローンは契約成立年が対象になる場合がある

デンタルローンを利用した場合、信販会社が歯科医院へ治療費を立て替えて支払います。

この場合、患者さまがローン会社へ分割で返済していく形になりますが、医療費控除ではローン契約が成立した年に医療費を支払ったものとして扱われる場合があります。

ただし、ローンの金利や手数料は医療費控除の対象外となることが一般的です。

分割払いは実際に支払った年が対象

歯科医院へ直接分割で支払う場合は、その年に実際に支払った金額が医療費控除の対象になります。

例えば治療費を2年に分けて支払った場合、それぞれの年に支払った金額をその年の医療費として申請します。

支払い方法によって対象年が変わることがあるため、領収書や契約書を確認しながら整理しておきましょう。

医療費控除を受ける際の注意点

医療費控除を申請する際には、いくつか注意しておきたい点があります。

領収書は必ず保管する

医療費控除の申請では、領収書の添付は不要ですが、保管は必要です。

税務署から確認を求められた場合に提示できるよう、治療費の領収書や交通費の記録は整理しておきましょう。

矯正治療は治療期間が長く、支払い回数も複数になることがあります。紛失しないよう、専用のファイルや封筒にまとめておくと安心です。

治療目的を確認しておく

矯正治療が医療費控除の対象になるかどうかは、治療目的が重要です。

噛み合わせや発音、咀嚼機能の改善など、治療として必要な矯正である場合は対象になる可能性があります。

一方で、美容目的のみの場合は対象外となることがあります。

不安な場合は、治療を受ける歯科医院で治療目的を確認しておきましょう。必要に応じて、税務署に相談することも大切です。

判断に迷う場合は専門機関に確認する

医療費控除の判断は、個別の状況によって異なることがあります。

矯正治療の内容、年齢、治療目的、支払い方法などによって扱いが変わる場合があります。

そのため、最終的な判断に迷う場合は、税務署や税理士などの専門機関へ確認することをおすすめします。

歯科医院では治療内容について説明できますが、税務上の最終判断は税務署が行います。

まとめ

矯正治療は、条件を満たせば医療費控除の対象になる場合があります。

特に子どもの矯正治療や、噛み合わせ・発音・咀嚼機能の改善を目的とした矯正治療は、医療費控除の対象として認められる可能性があります。一方で、見た目の改善だけを目的とした美容目的の矯正治療は、対象外となる可能性があるため注意が必要です。

医療費控除を受けるためには、確定申告が必要です。治療費の領収書や交通費の記録、医療費控除の明細書などを準備し、対象となる費用を整理しておきましょう。

また、デンタルローンや分割払いを利用した場合は、支払い方法によって申請する年が変わることがあります。治療費が高額になりやすい矯正治療だからこそ、医療費控除について早めに確認しておくことが大切です。

上尾で矯正治療を検討している方、医療費控除の対象になる可能性があるか知りたい方、費用面も含めて相談したい方は、患者さま一人ひとりのお口の状態や治療目的に合わせた矯正治療をご提案している上尾駅前デンタルクリニックへぜひご相談ください。治療内容や費用についても丁寧にご説明いたします。まずはお気軽に上尾駅前デンタルクリニックまでご相談ください。

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