2026.06.17

矯正装置が外れた・壊れたときの対処法

矯正治療中に、「ブラケットが外れた」「ワイヤーが飛び出して痛い」「マウスピースが割れた」「装置が壊れたけれど、このまま次の通院日まで待っていいのかわからない」と不安になる方は少なくありません。

矯正装置は、歯を計画通りに動かすために重要な役割を持っています。そのため、装置が外れたり壊れたりした場合、放置すると歯の動きに影響が出たり、口の中を傷つけたり、治療期間が延びたりする可能性があります。

ただし、矯正装置が外れたからといって、必ずしも大きなトラブルになるわけではありません。状態によっては応急処置をしたうえで、早めに歯科医院へ相談すれば問題なく対応できるケースも多くあります。

大切なのは、自己判断で無理に戻そうとしたり、壊れた装置をそのまま使い続けたりしないことです。特にワイヤーが刺さって痛い場合や、装置の一部を飲み込みそうな場合、マウスピースが大きく割れている場合などは、早めに歯科医院へ連絡することが重要です。

この記事では、矯正装置が外れた・壊れたときに起こりやすいトラブルや、自宅でできる応急処置、歯科医院へ連絡すべきタイミング、装置の破損を防ぐための注意点について詳しく解説します。

矯正装置が外れる・壊れることはある?

矯正治療中に装置が外れたり壊れたりすることは、決して珍しいことではありません。

矯正装置は歯に接着されていたり、ワイヤーで固定されていたりしますが、食事中の力や歯磨き時の刺激、噛み合わせの状態などによって、装置に負担がかかることがあります。

特に治療開始直後は装置に慣れていないため、食べ方や歯磨きの力加減がわからず、トラブルが起こりやすいことがあります。

装置が外れる原因

ワイヤー矯正で多いのが、ブラケットと呼ばれる小さな装置が歯から外れるケースです。

ブラケットは歯の表面に接着されていますが、硬い食べ物を噛んだり、粘着性のある食べ物が装置に引っかかったりすると、接着部分に強い力がかかって外れることがあります。

また、噛み合わせによって上下の歯が装置に強く当たる場合も、ブラケットが外れる原因になります。

歯磨きの際に強くこすりすぎたり、爪や舌で装置を触る癖があったりする場合も、装置への負担が増えるため注意が必要です。

装置が壊れる原因

矯正装置が壊れる原因としては、ワイヤーの変形、マウスピースの破損、リテーナーの割れなどがあります。

ワイヤーは歯を動かすために力をかける重要な部分ですが、硬いものを噛んだり、装置に強い衝撃が加わったりすると曲がることがあります。

マウスピース矯正の場合は、着脱時に無理な力をかけたり、ケースに入れずに持ち歩いたりすると、変形や破損につながることがあります。

矯正装置は繊細な医療器具です。毎日使うものだからこそ、扱い方に注意する必要があります。

ブラケットが外れたときの対処法

ワイヤー矯正中に多いトラブルが、ブラケットが外れることです。

ブラケットとは、歯の表面に付いている小さな装置のことで、ワイヤーを通して歯を動かすために使われます。

痛みがない場合でも歯科医院へ連絡する

ブラケットが外れても、痛みがない場合があります。

そのため、「痛くないから次の予約まで放置しても大丈夫」と思ってしまう方もいます。

しかし、ブラケットが外れると、その歯に予定通りの力がかからなくなります。放置すると歯の動きが計画からずれたり、治療期間が延びたりする可能性があります。

痛みがなくても、ブラケットが外れたことに気付いたら歯科医院へ連絡しましょう。次回予約まで待ってよいか、早めに来院した方がよいかを確認することが大切です。

外れたブラケットがワイヤーに付いている場合

ブラケットが歯から外れても、ワイヤーに通ったまま残っていることがあります。

この場合、ブラケットがワイヤー上で動き、頬や唇の内側に当たって違和感や痛みが出ることがあります。

無理に引っ張ったり外そうとしたりすると、ワイヤーが変形したり、他の装置まで壊れたりする可能性があります。

動いて痛い場合は、矯正用ワックスを使って装置を覆うと刺激を軽減できることがあります。そのうえで歯科医院へ連絡し、指示を受けましょう。

ブラケットが完全に外れた場合

ブラケットが口の中で完全に外れた場合は、なくさないように保管しておきましょう。

小さな装置なので、食事中に外れると気付かず飲み込んでしまうこともあります。もし口の中に残っている場合は、清潔なティッシュや袋に入れて歯科医院へ持参するとよいでしょう。

ただし、飲み込んでしまった場合でも、多くは自然に排出されることが多いとされています。とはいえ、むせた、咳が続く、喉に違和感がある、呼吸が苦しいなどの症状がある場合は、すぐに医療機関へ相談してください。

ワイヤーが刺さる・飛び出したときの対処法

ワイヤー矯正中によくあるトラブルの一つが、ワイヤーが頬や唇に刺さることです。

歯が動くことでワイヤーの端が余ってきたり、食事中の力でワイヤーがずれたりすることで起こることがあります。

矯正用ワックスで保護する

ワイヤーが頬や唇の内側に当たって痛い場合は、矯正用ワックスで保護する方法があります。

矯正用ワックスは、装置の尖った部分や当たる部分に付けて、粘膜への刺激を軽減するためのものです。

使う際は、できるだけ装置周辺の水分を軽く拭き取り、ワックスを小さく丸めて当たる部分に押し当てます。完全に痛みがなくなるとは限りませんが、応急処置として刺激を減らせる場合があります。

ただし、ワックスは一時的な対処です。ワイヤーが飛び出している場合は、歯科医院で調整してもらう必要があります。

無理に切ったり曲げたりしない

ワイヤーが刺さると、自分で切ったり曲げたりしたくなるかもしれません。

しかし、自己判断でワイヤーを切ることはおすすめできません。切ったワイヤーを誤って飲み込んだり、切り口が鋭くなってさらに口の中を傷つけたりする可能性があります。

また、無理に曲げることでワイヤー全体が変形し、歯にかかる力が変わってしまうことがあります。

どうしても痛みが強い場合は、まず歯科医院へ連絡し、応急処置の方法や受診の必要性を確認しましょう。

口内炎ができた場合

ワイヤーやブラケットが当たり続けると、頬や唇の内側に口内炎ができることがあります。

矯正治療を始めたばかりの時期は、口の中が装置に慣れていないため、口内炎ができやすいことがあります。

軽い口内炎であれば、装置に慣れるにつれて改善することもありますが、強い痛みが続く場合や傷が深い場合は相談が必要です。

矯正用ワックスで刺激を減らしながら、歯科医院で装置の当たり具合を確認してもらいましょう。

マウスピースが割れた・変形したときの対処法

マウスピース矯正中の方では、マウスピースが割れたり変形したりすることがあります。

マウスピースは透明で薄い素材でできているため、扱い方によっては破損することがあります。

割れたマウスピースをそのまま使わない

マウスピースに小さなヒビが入っただけでも、そのまま使い続けてよいかは確認が必要です。

割れた部分が歯ぐきや舌に当たると傷になることがあります。また、マウスピースの形が変わっていると、歯に正しい力がかからず、治療計画に影響する可能性があります。

完全に割れてしまった場合は、無理に装着しないようにしましょう。

破損したマウスピースは捨てずに保管し、歯科医院へ連絡して指示を受けることが大切です。

ひとつ前のマウスピースを使う場合がある

マウスピースが破損した場合、歯科医院の指示により、ひとつ前のマウスピースを一時的に使用することがあります。

これは、歯が後戻りするのを防ぐためです。

ただし、自己判断で前のマウスピースや次のマウスピースを使うのは避けましょう。歯の動きの状態によって適切な対応は異なります。

特に次のマウスピースへ勝手に進めると、歯に過度な力がかかったり、計画通りに動かなくなったりする可能性があります。

熱による変形に注意する

マウスピースは熱に弱い場合があります。

熱湯で洗ったり、夏場の車内に放置したりすると、変形することがあります。変形したマウスピースを装着すると、歯に不適切な力がかかる可能性があります。

マウスピースは水またはぬるま湯で洗い、専用ケースに入れて保管しましょう。

少しでも変形しているように感じる場合や、装着時に強い違和感がある場合は、歯科医院へ相談してください。

リテーナーが壊れたときの対処法

矯正治療後に使用する保定装置であるリテーナーも、破損することがあります。

リテーナーは、矯正後の歯並びを維持するためにとても重要な装置です。

リテーナーを使わない期間が長くなると後戻りのリスクがある

矯正治療後の歯は、元の位置へ戻ろうとする力が働きます。

そのため、リテーナーが壊れて使用できない状態が続くと、歯並びが少しずつ後戻りする可能性があります。

リテーナーが壊れた場合は、できるだけ早めに歯科医院へ連絡しましょう。

「少しの期間なら大丈夫」と思って放置すると、リテーナーを作り直すだけでなく、再矯正が必要になる場合もあります。

割れたリテーナーを無理に使わない

リテーナーが割れたり変形したりした場合、無理に装着するのは避けましょう。

歯に合っていないリテーナーを使うと、歯に不適切な力がかかり、歯並びに悪影響を与える可能性があります。

また、割れた部分が口の中を傷つけることもあります。

壊れたリテーナーは保管し、歯科医院へ持参しましょう。状態によって修理できる場合もあれば、作り直しが必要になる場合もあります。

装置が外れたときにしてはいけないこと

矯正装置が外れたり壊れたりしたとき、焦って自己判断で対応してしまう方もいます。

しかし、誤った対処はトラブルを悪化させることがあります。

接着剤で付け直さない

外れたブラケットや装置を、市販の接着剤で付け直すことは絶対に避けましょう。

市販の接着剤は口の中で使用するものではなく、健康被害につながる可能性があります。また、正しい位置に装置を戻せないため、歯に不適切な力がかかる危険もあります。

矯正装置は歯科専用の材料で、正確な位置に接着する必要があります。

外れた場合は、自分で直そうとせず歯科医院で対応してもらいましょう。

無理に引っ張らない

ワイヤーやブラケットが動いて気になる場合でも、無理に引っ張らないようにしましょう。

引っ張ることで他の装置まで外れたり、ワイヤーが変形したりすることがあります。

また、口の中を傷つける危険もあります。

違和感が強い場合は矯正用ワックスで保護し、早めに歯科医院へ連絡してください。

壊れた装置を捨てない

外れたブラケットや壊れたマウスピース、リテーナーは、捨てずに保管しておきましょう。

歯科医院で状態を確認することで、修理できるか、作り直しが必要かを判断しやすくなります。

小さな部品でも、治療に必要な場合があります。清潔な袋やケースに入れて持参しましょう。

歯科医院へ連絡すべきタイミング

矯正装置が外れた・壊れた場合、どのタイミングで歯科医院へ連絡すればよいのでしょうか。

基本的には、装置に異常があれば早めに連絡することをおすすめします。

痛みや傷がある場合

ワイヤーが刺さって痛い、頬や唇が傷ついている、口内炎ができて食事がしづらいといった場合は、早めに連絡しましょう。

痛みが続く状態を放置すると、傷が悪化したり、食事や歯磨きに支障が出たりすることがあります。

応急処置で一時的に楽になっても、原因が残っていれば再び痛みが出る可能性があります。

装置が外れた場合

ブラケットやバンド、アタッチメントなどが外れた場合も、歯科医院へ連絡が必要です。

痛みがなくても、歯に力がかからなくなっている可能性があります。

特に次回予約まで期間が空いている場合は、治療計画に影響することがあるため、早めに相談しましょう。

マウスピースやリテーナーが使えない場合

マウスピースやリテーナーが割れて装着できない場合も、放置は避けましょう。

使用できない期間が長くなると、歯が予定と違う位置へ動いたり、後戻りが起こったりする可能性があります。

ひとつ前の装置を使うべきか、作り直しが必要かは状態によって異なるため、自己判断せず確認することが大切です。

装置が外れたときの応急処置

歯科医院へすぐに行けない場合でも、自宅でできる応急処置があります。

ただし、応急処置はあくまでも一時的な対応です。装置が壊れた原因を解決するものではないため、必ず歯科医院へ相談しましょう。

矯正用ワックスを使う

ワイヤーやブラケットが当たって痛い場合は、矯正用ワックスで保護します。

ワックスを小さく丸め、痛みの原因となっている部分に付けることで、粘膜への刺激を軽減できます。

食事や歯磨きの際に外れることがあるため、必要に応じて付け直しましょう。

うがいをして清潔に保つ

装置が外れた部分や傷がある部分は、清潔に保つことが大切です。

食べかすが残ると炎症や口内炎が悪化することがあります。

強くうがいをしすぎる必要はありませんが、食後はやさしくうがいをして、口の中を清潔に保ちましょう。

痛みが強い場合は無理に食べない

装置が当たって痛い場合や、口の中に傷がある場合は、硬いものや刺激の強いものを避けましょう。

無理に食べると傷が悪化することがあります。

やわらかい食事を選び、痛みが続く場合は早めに歯科医院へ相談してください。

矯正装置の破損を防ぐためにできること

矯正装置のトラブルを完全に防ぐことは難しいですが、日常生活で注意することでリスクを減らすことはできます。

硬い食べ物に注意する

ワイヤー矯正中は、硬い食べ物に注意が必要です。

せんべい、ナッツ、氷、硬いパン、骨付き肉などを強く噛むと、ブラケットが外れたりワイヤーが変形したりすることがあります。

食べる場合は小さく切る、前歯でかぶりつかない、ゆっくり噛むなどの工夫をしましょう。

粘着性のある食べ物を避ける

キャラメルやガム、餅のように粘着性のある食べ物は、装置に絡まりやすく、ブラケットが外れる原因になることがあります。

矯正中はできるだけ避けるか、食べ方に注意する必要があります。

装置に絡まった場合も、無理に引っ張らず、丁寧に取り除きましょう。

マウスピースはケースに入れて保管する

マウスピースやリテーナーは、外したら必ず専用ケースに入れましょう。

ティッシュに包むと、誤って捨ててしまうことがあります。また、ポケットやバッグにそのまま入れると、割れたり変形したりする可能性があります。

ケースに入れる習慣をつけることで、紛失や破損を防ぎやすくなります。

装置トラブルを放置するとどうなる?

矯正装置のトラブルを放置すると、治療に影響が出ることがあります。

小さな違和感でも、放置することで問題が大きくなることがあります。

治療期間が延びる可能性がある

ブラケットが外れていると、その歯に予定通りの力がかかりません。

その状態が続くと、歯の動きが遅れたり、計画と違う方向へ動いたりする可能性があります。

結果として、治療期間が延びることがあります。

矯正治療は少しずつ歯を動かす計画的な治療です。装置の不具合がある場合は早めに修正することが大切です。

口の中を傷つけることがある

飛び出したワイヤーや外れた装置が口の中に当たり続けると、頬や唇、舌に傷ができることがあります。

傷がある状態で食事や歯磨きを続けると、痛みが強くなったり、口内炎が悪化したりすることがあります。

痛みを我慢せず、早めに対応しましょう。

後戻りが起こる可能性がある

リテーナーが壊れて使えない状態を放置すると、矯正後の歯並びが後戻りする可能性があります。

特に矯正治療が終わった直後は、歯が元の位置へ戻ろうとしやすい時期です。

リテーナーの破損や紛失に気付いたら、できるだけ早めに相談することが大切です。

まとめ

矯正装置が外れたり壊れたりした場合、まず大切なのは自己判断で無理に直そうとしないことです。

ブラケットが外れた、ワイヤーが刺さる、マウスピースが割れた、リテーナーが壊れたといったトラブルは、状態によって対応方法が異なります。

痛みがない場合でも、装置が正常に機能していなければ歯の動きに影響し、治療期間が延びる可能性があります。また、飛び出したワイヤーや壊れた装置が口の中を傷つけることもあります。

一時的には矯正用ワックスで保護したり、壊れた装置を保管したりすることができますが、応急処置だけで済ませず、早めに歯科医院へ連絡することが重要です。

矯正治療をスムーズに進めるためには、装置の扱い方や食事の注意点を守り、異常があればすぐに相談することが大切です。

上尾で矯正治療中の装置トラブルに不安がある方、矯正装置が外れた・壊れたときの対応について相談したい方は、患者さま一人ひとりの治療状況に合わせて丁寧にサポートしている上尾駅前デンタルクリニックへぜひご相談ください。矯正治療中の注意点や応急処置についてもわかりやすくご説明いたします。まずはお気軽に上尾駅前デンタルクリニックまでご相談ください。

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