矯正治療中にホワイトニングはできる?始めるタイミングと注意点
歯並びを整える矯正治療を始めると、「せっかくなら歯の色も白くしたい」「矯正中にホワイトニングも一緒にできる?」と考える方もいるのではないでしょうか。
結論からいうと、矯正治療中でも治療方法や装置の種類によってはホワイトニングを行える場合があります。ただし、ワイヤー矯正で歯の表面にブラケットが付いている場合には、ホワイトニング剤を歯面全体へ均一に作用させることが難しいため、矯正治療が終わって装置を外してから行う方が適しているケースがあります。
一方、取り外しのできるマウスピース型矯正装置であれば、歯の表面が装置で覆われていないため、矯正治療中でもホワイトニングを検討できる場合があります。
ただし、ホワイトニングはすべての歯を同じように白くできるわけではありません。天然歯と詰め物・被せ物では反応が異なるほか、ホワイトニングによって一時的に知覚過敏が起こることもあります。米国歯科医師会では、ホワイトニングは天然歯には作用しますが、歯の色に合わせた修復物の色は変化しないと説明しています。
この記事では、矯正治療中でもホワイトニングができるのか、ワイヤー矯正とマウスピース矯正での違い、ホワイトニングを始めるおすすめのタイミング、治療前後の注意点まで詳しく解説します。
そもそもホワイトニングとは?
歯科医院で行うホワイトニングとは、専用の薬剤を使用して天然歯そのものの色を明るくしていく処置です。
単純に歯の表面へ付着した着色汚れを取り除くクリーニングとは目的が異なります。
クリーニングとの違い
コーヒーや紅茶、ワインなどによる着色汚れが歯の表面についている場合には、歯科医院でのクリーニングによって本来の歯の色に近づけられることがあります。
一方、ホワイトニングでは過酸化水素や過酸化尿素などを含む薬剤を利用し、歯そのものの色調を明るくしていきます。米国歯科医師会でも、過酸化水素や過酸化尿素がホワイトニングに一般的に使用される成分として紹介されています。
オフィスホワイトニング
オフィスホワイトニングは、歯科医院で歯科医師や歯科衛生士の管理のもと行う方法です。
日本歯科医師会では、オフィスホワイトニングについて、歯面へ過酸化水素を含む漂白剤を塗布して行う方法を紹介しています。
比較的短期間で歯の明るさを変化させたい方に選択されることがあります。
ホームホワイトニング
ホームホワイトニングは、歯科医院で作製した専用のマウストレーなどを使用し、自宅で薬剤を装着する方法です。
オフィスホワイトニングより時間をかけながら徐々に歯を白くしていきます。
どちらの方法が適しているかは、現在の歯の色や希望する白さ、矯正装置の種類などによって異なります。
矯正治療中でもホワイトニングはできる?
矯正治療中にホワイトニングができるかどうかは、装置の種類によって大きく異なります。
特に重要なのが、「歯の表面へホワイトニング剤を均一に作用させられるか」という点です。
ワイヤー矯正中のホワイトニング
一般的な表側のワイヤー矯正では、歯の表面にブラケットを接着し、そのブラケットへワイヤーを通して歯を動かします。
ブラケットの下には薬剤が届きにくい
歯の表面にブラケットが付いている状態では、その部分へホワイトニング剤を直接作用させることができません。
ブラケット周辺だけをホワイトニングしても、装置を外した際にブラケットが付いていた部分と周囲で色の違いが生じる可能性があります。
そのため、表側ワイヤー矯正では、一般的には矯正装置を外してからホワイトニングを行う方が均一な仕上がりを目指しやすくなります。
矯正中はクリーニングを活用する方法もある
ワイヤー矯正中に歯の着色が気になる場合には、無理にホワイトニングを行うのではなく、まず歯科医院でクリーニングを受ける方法があります。
矯正装置周辺は食べ物や歯垢が残りやすく、日本矯正歯科学会も矯正装置が入ると歯磨きが難しくなり、装置周囲に食物残渣などが停滞しやすいと説明しています。
定期的なクリーニングで着色や汚れを除去し、矯正治療終了後にホワイトニングを行う方法も検討できます。
裏側矯正ならホワイトニングできる?
裏側矯正では、ブラケットとワイヤーを歯の裏側へ装着します。
そのため表側の歯面には装置がありません。
表側の歯面に薬剤を使用できる場合がある
歯の表面が装置で覆われていないため、治療内容によっては矯正中でもオフィスホワイトニングなどを検討できる場合があります。
ただし、すべての症例で問題なく行えるわけではありません。
歯ぐきの状態や知覚過敏の有無、虫歯などを確認したうえで判断します。
マウスピース矯正中のホワイトニング
マウスピース矯正は、透明な装置を患者さん自身で取り外せることが特徴です。
そのため、ワイヤー矯正と比較するとホワイトニングを組み合わせやすい場合があります。
歯の表面に大きな装置がない
マウスピースを取り外せば歯の表面が露出するため、ホワイトニング剤を歯面へ作用させることができます。
そのため、矯正治療をしながら歯の色も整えたい方にとって選択肢になる場合があります。
アタッチメントが付いている場合は注意
マウスピース矯正では、歯を効率的に動かすため「アタッチメント」と呼ばれる小さな突起を歯へ付けることがあります。
アタッチメントが付いている部分では、薬剤の作用や色の見え方に差が生じる可能性があります。
そのため、治療途中でホワイトニングを行うのか、アタッチメントを外してから行うのかについて歯科医師と相談することが大切です。
矯正前にホワイトニングすることはできる?
矯正を始める前にホワイトニングを受けることも可能です。
ただし、その後の矯正治療を考えると、必ずしも矯正前が最適なタイミングとは限りません。
矯正前に歯を白くしておきたい場合
結婚式や成人式など大切な予定があり、矯正開始前に歯を白くしておきたい場合には、先にホワイトニングを行うことを検討できます。
ただし、ホワイトニング後も歯の色は永続的に同じ状態を保つわけではありません。
矯正治療が長期間になる場合には、その間に色が変化する可能性があります。
虫歯や歯周病がある場合は先に治療する
ホワイトニング前には歯や歯ぐきの状態を確認する必要があります。
虫歯や歯周病がある場合には、先に必要な治療を行うことが重要です。
特に矯正治療を始める場合には、その後装置によって歯磨きが難しくなることもあるため、治療開始前に口腔環境を整えておきましょう。
ホワイトニングにおすすめのタイミングは矯正後?
矯正治療とホワイトニングの両方を検討している場合、矯正装置を外した後はホワイトニングを行いやすいタイミングの一つです。
歯面全体へ均一に薬剤を使用できる
ワイヤー矯正終了後であれば、ブラケットがなくなるため歯の表面全体にホワイトニング剤を使用できます。
そのため、色ムラを抑えながら歯の色を整えやすくなります。
歯並びが整った状態で色を確認できる
矯正前と矯正後では、歯の向きや見える範囲が変わります。
歯並びが整ってからホワイトニングを行うことで、最終的な歯並びに合わせて白さを確認しやすくなります。
矯正装置を外した直後にホワイトニングしてもいい?
矯正装置を外した当日に必ずホワイトニングを行う必要はありません。
歯や歯ぐきの状態によっては、少し期間を空けた方がよい場合があります。
歯ぐきに炎症がある場合
矯正装置周囲に歯垢が残っていた場合、歯ぐきが赤く腫れていることがあります。
そのような状態では、まず歯磨きやクリーニングなどによって口腔環境を整えることが重要です。
歯の表面を確認する
ブラケットを外した後には、接着剤などを除去して歯面を整えます。
また、歯の表面に白濁や初期虫歯などがないか確認することも大切です。
歯の状態を確認したうえで、適切なタイミングでホワイトニングを開始しましょう。
ホワイトニングで知覚過敏が起こることがある
ホワイトニングを検討する際に知っておきたい副作用の一つが知覚過敏です。
一時的に歯がしみることがある
日本歯科医師会では、ホワイトニングによって一時的に軽度の知覚過敏が起こる場合があると説明しています。
冷たい水などがしみるようになることがありますが、通常は一時的な症状であることが多いとされています。
矯正中の歯の違和感と重なる場合もある
矯正治療では歯を動かすため、装置を調整した後などに歯へ違和感や痛みを感じることがあります。
そのタイミングでホワイトニングによる知覚過敏も起こると、負担を強く感じる場合があります。
ホワイトニングの時期については、矯正の調整直後を避けるなど、歯科医師と相談するとよいでしょう。
詰め物や被せ物はホワイトニングで白くならない
ホワイトニングを始める前に確認しておきたいのが、人工物の色です。
天然歯だけがホワイトニングの対象
米国歯科医師会では、ホワイトニングによって白くできるのは天然歯であり、歯の色に合わせた詰め物や被せ物などの修復物の色は変化しないと説明しています。
例えば前歯にセラミックやコンポジットレジンなどが入っている場合、天然歯だけが白くなり、人工物との色の差が目立つ可能性があります。
被せ物の交換時期を考える
矯正治療終了後に前歯のセラミックなどを新しくする予定がある場合には、先にホワイトニングを行い、その白さに合わせて被せ物の色を決める方法があります。
治療の順番について歯科医師と相談しておきましょう。
矯正中の着色はホワイトニング以外でも改善できる?
矯正治療中に「歯が黄色くなった」と感じても、必ずしも歯そのものの色が変化しているとは限りません。
装置周囲の着色汚れ
ブラケット周囲は歯ブラシが届きにくく、歯垢や着色汚れが残りやすくなります。
日本矯正歯科学会でも、装置周囲は清掃が難しく、汚れが停滞しやすいことを案内しています。
歯科医院でクリーニングを受けることで、表面的な着色が改善する場合があります。
ホワイトニング前にクリーニングを行う
歯の表面に歯垢や歯石などが付着している場合には、まずクリーニングを行って口腔内を清潔にします。
そのうえでホワイトニングを行うことで、現在の歯の色を確認しながら治療を進められます。
矯正中に市販のホワイトニング製品を使ってもいい?
市販のホワイトニング関連製品を使用したいと考える方もいるでしょう。
ただし、矯正装置がある状態では注意が必要です。
装置によって薬剤が均一に作用しない場合がある
表側のブラケットが付いている状態で自己判断で漂白作用のある製品を使用すると、装置周囲だけに作用して色ムラにつながる可能性があります。
歯や歯ぐきの状態を確認する
虫歯や歯ぐきの炎症、知覚過敏などがある場合には、ホワイトニング剤によって症状が強くなる可能性もあります。
矯正中に歯を白くしたい場合には、まず治療を受けている歯科医院へ相談しましょう。
ホワイトニング中の歯磨きも重要
ホワイトニングによって歯が白くなっても、毎日の口腔ケアが不十分であれば着色や虫歯、歯周病などの問題が起こる可能性があります。
矯正装置周囲を丁寧に磨く
ワイヤー矯正では、ブラケットの上下やワイヤーの周囲を意識して磨きます。
歯ブラシだけでは難しい部分には、歯間ブラシなどを使用する方法もあります。
マウスピースは清潔な歯に装着する
マウスピース矯正では、食事後に歯を清掃してから装置を戻すことが大切です。
汚れが残った状態で長時間マウスピースを装着し続けないよう注意しましょう。
ホワイトニング後は色戻りする?
ホワイトニングによって得られた白さが永久に変化しないわけではありません。
飲食物や生活習慣などによって、少しずつ色調が変化することがあります。
そのため、必要に応じて追加のホワイトニングを行うこともあります。
矯正治療終了後にホワイトニングを行った場合も、定期検診やクリーニングを受けながら状態を維持することが大切です。
矯正とホワイトニングは治療計画をまとめて相談する
これから矯正治療を始める方で、将来的にホワイトニングも希望している場合には、最初のカウンセリングでその希望を伝えておくことをおすすめします。
最終的な口元を考えて治療できる
歯並びだけでなく歯の色や前歯の詰め物、被せ物なども含めて考えることで、治療の順番を計画しやすくなります。
例えば、矯正治療を終了してホワイトニングを行い、その後に前歯の被せ物を白くなった天然歯へ合わせて作り直すといった治療計画を立てる場合もあります。
自己判断で同時進行しない
矯正治療とホワイトニングは、状態によっては同時に行えることもありますが、適切なタイミングは一人ひとり異なります。
装置の種類や虫歯、歯周病、知覚過敏、修復物などを確認しながら進めることが大切です。
まとめ
矯正治療中でも、矯正装置の種類や歯の状態によってはホワイトニングを行うことができます。
表側のワイヤー矯正では、歯の表面にブラケットが付いているため、その部分へホワイトニング剤を均一に作用させることが難しくなります。そのため、一般的には矯正装置を外した後にホワイトニングを行う方が、色ムラを抑えながら仕上げやすくなります。
一方、取り外し可能なマウスピース矯正や、表側に装置のない裏側矯正では、矯正治療中でもホワイトニングを検討できる場合があります。ただし、マウスピース矯正でアタッチメントが付いている場合などは、仕上がりへの影響を考えて治療時期を調整することがあります。
ホワイトニングによって一時的に知覚過敏が起こる場合があることも理解しておきましょう。日本歯科医師会でも、ホワイトニング後に一時的な知覚過敏が生じることがあるとしています。
また、ホワイトニングで白くできるのは基本的に天然歯です。セラミックやレジンなどの詰め物・被せ物の色は変化しないため、前歯に人工物がある場合には治療の順番を考える必要があります。
矯正中の歯の着色が気になる場合には、まずクリーニングで汚れを取り除くという方法もあります。矯正装置が付いていると歯磨きが難しくなるため、毎日のセルフケアと定期的な歯科医院でのメンテナンスを続けることも重要です。
矯正とホワイトニングの両方を希望する場合には、別々に考えるのではなく、最終的な歯並びと歯の色を見据えて治療計画を立てることが大切です。
「矯正中でもホワイトニングを受けられるか知りたい」「矯正が終わったら歯も白くしたい」「マウスピース矯正とホワイトニングを一緒に進めたい」という方は、上尾駅前デンタルクリニックへぜひご相談ください。
